フィンランドの本屋さん

フィンランドの本屋さん
私の地元の本屋さん訪問
フィンランドの新しい学年の始まりである8月に、フィンランド北部の私の故郷オウルにある地元の本屋さん(Suomalainen Kirjakauppa)を訪れました。
お店に入るとすぐ学校の教科書の20%OFFのポスターが目に入ります。
フィンランドの小学校と中学校では教科書を購入する必要はありません。なんと学校で無料でもらえます。その後、16歳になって高校や職業学校に入るときに、教科書をはじめて購入することになります。
(Suomalainen Kirjakauppaはフィンランド最大の本屋チェーンです)
学期が始まるまでに、子供達はみんな、ペンや消しゴム、ものさし、その他の筆記用具を揃えるようになるので、その日もお店の中では、たくさんの筆記用具も並んでいました。お店のそんな様子を見て、その日一緒にお出かけした娘のアマヤもとても喜んでいました。
フィンランドでは、書籍は通常、ハードカバーとソフトカバーの2種類で販売されています。
ハードカバーは、小説もノンフィクションも両方とも、もともとフィンランドで書かれたものやフィンランドで翻訳されたものはとても高価です。なんと、25ユーロ(3,200円)から30ユーロ(3,850円)もします。
フィンランドのほほとんどの人は、何よりも手に取りやすいので、ソフトカバーの本を好んで読みます。少なくとも私はソフトカバー派です。しかもソフトカバーは、たまに3冊の価格で4冊買えるようなセールがあったりするので本屋さんではそれも楽しみです。
今回は、子供向けの本のコーナーを中心に見てきました。
すぐに目に入ったのが “Ella”と “RistoRäppääjä”シリーズ最新刊です。これらは、フィンランドでとても長い間人気のシリーズです。
Ellaの本はTimo Parvela氏とRistoRäppääjäのSinikkaとTiina Nopolaの姉妹によって書かれています。また、TatuとPatuの本(Aino HavukainenとSami Toivonenによって書かれた本です)は、多くのフィンランドの子供たちに愛されている本のひとつです。
「RistoRäppääjä」と「Tatu and Patu」のストーリーも映画化され、映画もとても人気でした。
子供向けの本のトップ10のコーナーがありました。
やはり、「Tatu and Patu」、「RistoRäppääjä」、「Ella」の本はトップ10入りですね。
ハリー・ポッターの本ももちろんフィンランドでも子供にも大人にも熱心に読まれています。JJ.K. Rowlingの新刊は、フィンランド語版で “Quidditch Through the Ages”や “Fantastic Beasts、Where to Find Them”も書店で発売されました。
オウルの書店Suomalainen Kirjakauppaでは、オウルの作家PäiviHonkakoskiによって書かれた子供の本も見つけました。
彼女のTervatonttuシリーズは、木タールの輸出で栄えたオウルの歴史についての作品です。この木タール製造とその輸出は、オウルの歴史と切っても切れない関係です。 Prinsessa Ebbaは、オウルに住んでいたお姫様の物語です。
Tervatonttujen Jouluの本(The Tar-making Elves and Christmas)の素敵なイラストは、Northern Lights(オーロラ)、伝統的なLapland Sami(先住民族サーミ人)の伝統衣装、そして、もちろんサンタクロースと同じくフィンランド人としての自慢でもあります。
フィンランドの本屋さんでは、本だけでなく文房具や画材なども販売しています。
アマヤは友達と一緒に書き込んで楽しめる面白いノートが欲しいようです。
主なフィンランドの本屋さんでは、ほとんどの場合、英語で書かれた本を扱っています。
フィンランドに住む外国人はフィンランド語では本を読むことは出来ませんし、多くのフィンランド人は普段英語の本を読みます。私が読んだ本の半分以上は英語で書かれていたと思いますが、私が英語の本を読むのは、そもそもフィンランド語に翻訳された本が無いか、英語の本の方が安い場合です。そして、なにより本は元の言語で書かれているものを読みたいと思っています。
Monika Luukkonen(モニカ・ルーッコネン)
モニカ・ルーッコネンは、フィンランドのライフスタイルの専門家であり、ブログのライター、ノンフィクション作品の作家です。 モニカはフィンランドのライフスタイルに関する書籍を日本でも出版しています。 最初の著書『ふだん着のフィランド』は、2015年1月にグラフィック社から出版され、第2作の『フィンランド人が教えるほんとうのシンプル』は、2017年にダイアモンド社より出版されました。 2018年4月には日本で3冊目になる『マイタイム 自分もまわりも幸せになる「自分のための時間」のつくり方』を出版されています。
〚フィンランド人が教えるほんとうのシンプルは韓国語と中国語に翻訳され、韓国と台湾でも出版されています。〛
フィンランドの商品をアジアに販売するKidemaaというオンラインショップのブログでも執筆中です。
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モニカが大切にするテーマは、フィンランドのライフスタイル、有意義な生活、健康的な食生活、環境意識、フィンランドの教育、女性の生活、そして自然。 企業のマーケティング担当として国際的に活動(電気通信、医療技術、ビジネスコンサルティングなど)した実績もあり、日本とイギリスで生活した経験があります。現在はフィンランド北部のオウルの故郷に娘とともに住んでおり、読書、ウォーキング、クロスカントリースキーを楽しんでおり、自然の中で日々過ごしています。
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翻訳:M.Kobayashi